2020年4月、新型コロナウイルスが猛威を振るい、収束の見通しが全く立たず、東京オリンピックは延期となり、われわれの生活、仕事、経済に大打撃を与えています。この先、暫くはさらに悪くなることを想定しなくてはいけません。首都封鎖、或いは医療崩壊という最悪な事態になっているかもしれません。
しかしどんな状況下でも、我々は生きていかねばなりません。そして経営者は会社を続けている責務があります。人間ですから不安を持つのは当然ですが、心配ばかりしていても、解決には至りません。
そこで、経営者として、今どう考え、具体的に何をすべきか、これを話したいと思います。

　一つ例え話をします。飛行機で、高度10000メートルを飛行中、火災や、エンジントラブル等の緊急事態が起こった時パイロットはどんな行動をとるでしょうか。

急降下して3000メートルぐらいのところまで降ります。これは、10000メートルでは、酸素濃度が低く、人間が生きていられなくなり、機体が破損した場合には、死んでしまうからです。高度3000メートルまで降りると、酸素が足りて何とか生き延びることができるのです。

つまり安全な所に緊急に移動するということです。最低限やらないといけないことで、これは命綱となります。

我々が会社を経営しているということは、さまざまなリスクを持ちながら、飛行していると言えるでしょう。まさに今起きていることは、非常事態であり、まずは、この高度3000メートルまで降りる事が、経営者としての、仕事になります。

まずは融資を申し込みをして、借りるめどをつけます。
その後で、支出をできるだけストップします。借入金があれば、最低限の利息だけの返済にします。
この順番が大事なのです。仮に逆の順番になった場合、どうなるかというと、返済をストップすると事故扱いになり、新たな融資を受けるのは難しくなるのです。過去に事故があると、絶対に貸さないからです。
ですから最初に、1000万円でも、2000万円でも借りられるだけ借りてください。

その後、過去に借りた返済分をストップしてください。

しかし、ここにもう一つ大きな落とし穴があるのです。実は借り入れをして、一時的に手元にお金があると安心してしまうのです。それで、先ほど申し上げた、返済のストップや、支出を見直しをせず、ダラダラと垂れ流してしまう方が多いのです。それでは意味がありません。この2つがセットと考えてください。

この基本原則を踏まえたうえで、この先を読んでください。